そろそろまた、the | |の続きを
- たった2つのことをイメージするだけで、英語の冠詞がわかるようになる
- Independently published
- 本
もう一度、おさらいしておきましょう。
この犬がただの犬なら、a dog です。それがタローくんのおうちにいるとすると、そこに境界を引きます。
すると a dog に the がついて the a dog → the dog となります。
この境界は情報の送り手が受け手に対して、ある程度恣意的に引くことができます。もちろん、相手も同じ理解のあることを期待して。
本の中でも、書き手が the を使う時には、頭の中に境界が存在しています。あわよくば、読み手も同じ部分に境界があると思って読んでくれることを期待して。
この認識が食い違うと、話が通じなかったり、誤解を生んだりするのは、日本語でも何語でも同じです。
Kazuo Ishiguro の Never Let Me Go に出てくる as I come down the side of a valley 「小高い丘の斜面を下りながら」の the side。前に出てきた valley でもないし、丘の斜面はひとつではありません。ここで、境界を引いているのは、自分が今走っている道の部分に境界を設けているわけで、読者もその境界には容易に納得できるでしょう。
ひとつしかないものに the がつくという考えとはおさらばしましょう。
太陽に the がつくのは、ひとつしかないからではなく、宇宙にいくつもある恒星 suns のうち、太陽系の外側に境界をつけると、その境界の内側にある太陽が the sun になるだけのことです。
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