冠詞を身につけるイメージトレーニング

イメージするだけで冠詞が身に着くイメージトレーニング

「~が好き」すら、迷いなく言えない不思議2

たった2つのことをイメージするだけで、英語の冠詞がわかるようになる
たった2つのことをイメージするだけで、英語の冠詞がわかるようになる
Independently published

 生物種、なかでも動物種を表すのは、基本的に無冠詞複数 〇〇〇 を使うのが一番あとくされがなくてよい。
 人間が食べる哺乳類はそう多くはないうえ、牛や豚は beef、pork など食肉だけに使用する独自の表現がある。だから、「~が好き」という時は、この〇〇〇で話がすむ。


 I like dogs. 
 I like lions. 
   I like cats. 


 その肉が好きだと言いたければ、顰蹙を買うことを覚悟しさえすれば、無冠詞:::で使えばよい。


  これが植物、野菜や果物となると話がややこしくなる。


 動物は基本的に個体の輪郭がはっきりしているが、植物はそうはいかない。
 ことばというものは、常に現実を引きずるものなのである。その認識がなくて、日本語と外国語をことばとことばだけで対応させて捉える人の何と多いことか。


 草ひとつをとっても、どこまでが1本の草なのか、いちいち考えていてもあまり意味はない。砂 sand と同じ、grass はgrass。
 植物研究でもするのでないかぎり、ほうれん草 spinach を食材にする時、1本2本と数える人はいないし、数えても意味がない。ごま sesame も一粒二粒と数えてごはんやお浸しにかける人はいない。
 一方、きゅうり cucumbers、かぼちゃ pumpkins、なす aubergines、きゃべつ cabbages、じゃがいも potatoes、とまと tomatoes、りんご apples、オレンジ oranges ぶどう、grapes、えんどう peas、バナナ bananas、メロン melons、玉ねぎ onions、スイカ watermelons には明らかに輪郭がある。


 それならば、どれも一律に I like -s. と言えれば話は簡単なのだが、そうはいかない。どういうかは、どうやって食べるか、どう料理するかに左右される。それなのに、いったん、英語の世界に入ったら、もう文法のことしか頭になくて、現実を見ない人がいる。すべては文法ではなく現実によって決まるというのに。


 さて、ここで、英語の名詞はみな、無冠詞単数:::では、apple ならりんご的な(もの)というくらいの意味合い、形容詞的な要素を残したものであることを思いだしてほしい。
 そのため、:::はどちらかと言えば食材、香りの意味合いを帯びる傾向がある。ただし、ここで、食べ方や調理の仕方がからんでくるから、事はややこしい。
 ぶどうやえんどうは、〇〇〇を食べるので、いちばん話が早い。


 I like grapes. 
 I like peas.


 りんご、オレンジ、バナナは1個まるごと、1本まるごと食べることも多い。
 一度に2個3個、2本3本と食べなくても、次にまた1個、また1本という思いがあるかぎり、〇〇〇として問題はない。


 I like apples.
 I like oranges.
 I like bananas. 


  ここで、メロンやスイカの問題が出てくる。通常、丸ごと食べることはない。
 英語では、無冠詞単数なら食べるものを意味し、複数になると植物種を意味するという決まりが成立していない。


 I like melon.
 I like watermelon. 


 きゅうりは1本丸かじりすることはあっても、ふつうは食材として薄くまたは細く切り、サラダなどに使う。


 やはり、I like cucumber.となるのが妥当なところ。


 キャベツは基本的に丸ごと食べるものではない。
 であるから、I like cabbage. となるのは容易に想像できる。


 丸ごとは食べないが、キャベツ1個1個の輪郭は見える。ここで英米の表現差が問題となる。イギリスでは3個なら、three cabbages と言えるが、アメリカでは three heads of cabbage。
 なお、キャベツの葉には輪郭があって、three cabbage leaves と言える。


 (つづく)


 


 
 


 



 




にほんブログ村 英語ブログへ
にほんブログ村