冠詞を身につけるイメージトレーニング

イメージするだけで冠詞が身に着くイメージトレーニング

日本では教えてくれなかったこと

たった2つのことをイメージするだけで、英語の冠詞がわかるようになる
たった2つのことをイメージするだけで、英語の冠詞がわかるようになる
Independently published


 スペインに渡ったとき、ある疑問に遭遇した。
 日本ではコーヒーにしろ何にしろ、注文するときはそのままコーヒー、ジュースでよいがヨーロッパに行けば、何か冠詞をつけないといけないのではないか。
 現に、フランスでは誰もが un café au lait と言って注文しとぃる。 café au lait と言って注文している人に出会ったことがない。
 それなら、スペインでは un café con leche になりはずだが、自分の口から自然に出てくるのは、café con leche
 周りのスペイン人もみな café con leche と注文している。


 その疑問をかかえたまま、言語学の授業で、
 una mesa de escuela と una mesa de la escuela のちがいを説明してもらった。
 (mesa は机、una は不定冠詞、de は「の」、escuela は学校)


 定冠詞 la がない場合は「学校用の机」、定冠詞がつくと、その学校にある机になる。
 ではなぜ、de escuela になるか。laguna léxica つまり、ボキャブラリーの空白があるからだと言う。「学校用」を表すのにふさわしい形容詞がないからだ。
 そのとき、私は二重の意味で感動した。
 ひとつは、なるほど、そうなのか。
 もうひとつは、日本ではそんな簡単なことも教えてくれなかった。
 
 さて、コーヒーの謎も解けた。スペイン語ではひとつとわかっているものに敢えて冠詞はつけない。2つになれば、dos cafés con leche となる。


 そう言えば、飛行機のなかではみんな無冠詞。動詞もない。あとのことはみなわかりきっているから。


 さて、スペイン語にもフランス語にも不定冠詞の複数、定冠詞の複数がある。
 フランス語にはさらに部分冠詞がある。


 複雑な分、細かい使い分けができる。
 英語の冠詞がわかりにくいのは、単純化したせいではないか。


 未知数が3つあるのに、方程式が2つしかないようなもの。これでは謎は解けない。


 英語の外から英語の冠詞を眺める。その方が客観的に見ることができる。
 それが始まりだった。